弁慶さんと紫陽花 〜象徴されるもの〜
弁慶さんの象徴物である紫陽花。
…何で紫陽花なのか、理由はオフィシャルで発表されていませんよね?
そこで、自分で色々考えてみました。


花言葉から思うこと

紫陽花は、土壌で花の色が変化します。花言葉は「移り気」「辛抱強い愛」。
その花色の変化のせいか「節操が無い」と忠義を重んじる武士からは、好まれなかったとも聞きます。花言葉の移り気というのも、その変化からきているのでしょう。
一方で、辛抱強い愛という花言葉の由来は、見付けられません。
紫陽花は花弁(正しくはガク片)が4枚、4=死という事で、縁起が悪いとされ寺社で咲き続けていたとか。自国よりも外国で評価された紫陽花は、品種改良も進み里帰り。それらが西洋アジサイ=ハイドランジアと言われるものだそうです。
これを知った時、本来の美徳や性質が認められるのに時間が掛かったから「辛抱強い」になったのでは?と勝手に解釈しております(笑)。「愛」は分かりませんが(笑)。
弁慶さんに当てはめて考えると、まず平家に寝返るという行為は、節操の無い「移り気」。でも、その心根の部分は全てを背負い込む「辛抱」。方法は大胆でしたが、彼なりの京や人々への「愛」も感じられる…。
だから、彼を象徴するのにはうってつけなのかと思います。
紫陽花の花言葉は他にも幾つかありますが、この二つがオフィシャルブックに掲載されていることもあり、それを元にしての考察(?)でした。

どんな紫陽花?

私は、弁慶さんは紫の紫陽花のような気がします。
彼の纏う色からもそれは連想されます。着物は紫、そして帯は緑―葉の色。
紫陽花の花色である紫は、青と赤の混色。青、赤、そのどちらでもあり、かつ独特な美しさをもつ紫。紫は古来、宗教関係に用いられる色であり、精神を象徴します。
弁慶さんは、なかなかその心の中が伺い知れません。こちらの態度ではぐらかされたり…。
その心は外套のような黒い―どこか闇のようなものに隠されて。
ハイドランジアは華やかで美しく、人目を魅きます。でも、弁慶さんはどこか山紫陽花のように凛と涼しげ・密やかな感じがします。勿論その魅力で人を惑わせ惹き寄せますが、何処か入れない、触れてはいけないような強さを醸し出しているようです。


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