1.東慶寺-明月院-海蔵寺
2006年、6月14日水曜日。平日ではありますが、この時期は相当な混雑が予想されます。
いつもより早めに出よう!という事で、北鎌倉へ着いたのは8時半くらいです。
まずは東慶寺さんへ。北鎌倉駅正面改札側から出ます。白鷺池を左に見て、鎌倉方面へ歩きます。
写真は、白鷺池付近の紫陽花。
東慶寺
春は来られなかった「迷宮」の舞台。
作中ではお寺の名前は出ませんでしたが、臘梅、縁切り寺…とくればこちらでしょう。
階段を上り、山門をくぐり拝観料100円を納めて入ります。
入った時の印象は、清々しくて美しいというものでした。
石畳の左右両脇には、紫陽花が植えられていますが、盛りはこれから。でも、既に美しく色付いたものもありました。
そして、目を引いたのが菖蒲。石畳を進み、正面のお地蔵さまの裏にありました。
菖蒲と紫陽花の咲き競う姿、その色合いは正に壮麗でした。何となく柔らかな優しい美しさのお庭に、菖蒲があると、この花の凛とした美しさが映える気がします。
そこから少し奥へ行くと、右手の崖には一杯のイワタバコ(下写真右)。
私は、この花を見るのは初めてだと思います。花も小さくつつましやかですが、この美しさも良し、です。
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更に奥には墓地が広がっています。高い木々の緑が、涼しさを感じさせ、とても静かでした。
この静けさと上品さに「敦盛さんは、ここ好きそうだよなぁ…」と実感しました。
…が、その静けさも長続きせず。小中学校の遠足に遭遇してしまいました(汗)。どうやら、班行動で指定された所を回っている様子。小学生が帰ったと思えば、今度は中学生が来る。これが小町通りまでのあちこちで繰り返されました。平日だから、こういうケースもあるのですね。これまで遭遇しなかったのは、運が良かったのかもしれません。
私が東慶寺さんを出る時には、また別の班の子供たちが入ってきました。
明月院まで
東慶寺さんを出て、鎌倉街道を道なりに少し南下。
横須賀線の線路を渡り、反対側へ。
写真は、踏み切り手前の川沿いに咲く紫陽花。
次の目的地は、明月院さん。
踏み切りを渡った辺りから、既に人が多くなっています。
円覚寺さんを拝観した方達が、こちらへ歩いて来られたように思えました。バスは通っているのですが、私が歩いている間は運行ダイヤから外れていたようです。
踏み切りを渡って、すぐ脇へ入ると、そこが明月院通り。
まだ9時を少し回ったくらいでしたので、沿道のお店は開店前。
明月院さんに向かって右側は、途中から紫陽花が咲いていました。
かなり背が高めです。
左側は葉祥明美術館を始め、お店や民家、そして明月川が流れます。
お寺の手前辺りからは、数名のガードマンが出て「車が来ます」等の声を掛けていました。…そのくらい、混むのですね。周辺にお住まいの方の生活路でもありますし、安全策を講じて頂けるのは頼もしいと思いました。
漸く、明月院さんへ到着です。
明月院
既に境内は賑やかさが…。拝観料300円を納めて入ります。
青!青い紫陽花で一杯です。なんでも、青い紫陽花で占めるよう手入れをされているとか。
たまに白も見掛けますが、とにかく青。
北条時頼廟を見学し、紫陽殿までの間もとにかく紫陽花。見事です。
私の行った時は、六分から七分咲きといった感じでしたが、それでも盛りのもの、色付き始め、これから…とグラデーションで楽しめました。
拝観路途中、紫陽殿に向かって右には小さな竹林が有り、その緑と紫陽花の緑の色合いも見事です。![]()
拝観路を歩き、開山堂、鎌倉十井の一つ「瓶(つるべ)の井」(下写真左)を見学。紫陽花を供えられたお地蔵様も可愛らしいです。
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そして、紫陽殿へ。お参りしたあと、この時期と紅葉の頃にしか公開されない後庭園へ。公開される日時は、毎年違うようですので、ご注意を。観賞料500円を納めます。そこには、見事な菖蒲が。白、様々な紫…。そして、葉と周囲の緑。ここは境内よりも人も少なく、視界が拓けました。最も、熱心に写真を撮られる方が多く、邪魔にならないようお互いに譲り合って進むのは、一緒なんですけれど(笑)。この日は、ケーブルテレビ局が撮影をされていました。
私は、菖蒲も良かったのですが、右手にある小さな滝に心を奪われてしまいました(笑)。滝だの池だの川だのにヨワい(笑)。
それから拝観路に戻り、往路に通らなかった中門を撮りました。明月院さんというと、ここの写真をよく見ます。…今迄、紫の紫陽花だと思っていたのが、実際は青だったのには驚きです。それから明月院さんを出ました。帰る頃には、もっと人が…。ガードマンの動きも慌ただしくなっていました。やはり、10時前には拝観を済ませておくのが良さそうです。…あとは、閉門近くの頃でしょうか?
海蔵寺まで
また鎌倉街道に沿って歩き、反対側に渡ります。非公開の長寿寺さんの脇道を入ると、亀ヶ谷坂へ。鎌倉七切り通しの一つです。ここから源氏山公園へ行けると言うことで、こちらへ。
舗装道なので、特別歩き難いことはありません。ただ、急なので登り下りが大変です。私は思ったほど辛くありませんでした。…下ってばかりだったからかもしれませんが。でも、どうしても自然と速足になるくらい、急です。
なんでも、急すぎて亀が引っ繰り返ったという言い伝えがあるので、こういう名前がついたとか。
…すみません、急なのが分かり難い写真になってしまって(汗)。
坂が終ると、住宅地が広がっています。ここを進んで薬王寺さんを過ぎると「岩船地蔵堂」があります。
このお堂は、2001年に再建されたものです。頼朝の娘、大姫の守り本尊が納められています。
ここを見たとき、大河での大姫と許嫁の木曽義高の顔を思い出しました。二人とも上手かった…特に、義高役の子が。義高を思い続けた大姫を偲んで、合掌。
海蔵寺
地蔵堂からやや右折し、横須賀線のガードをくぐって進みます。閑静な住宅街の中に、海蔵寺さんがあります。山門の手前右側には鎌倉十井の一つ「底脱の井」があります。額紫陽花が覆っていました。![]()
境内は静かで、清冽な印象を受けました。手入れが行き届いた素晴らしいお庭です。これで拝観料を頂かない、というのはなかなか太っ腹では。正面本堂は「龍護殿」と言われています(下写真左)。お庭のベニガクの可憐な姿、そして菖蒲の凛とした美しさ。まるで絵のようでした。
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仏殿の横からは弘法大師が掘ったと伝わる「十六の井」への道があります。
こちらへの拝観のみ100円のお納めが必要です。
納めて進むと…思ったより(と言っても1分程度ですが)距離がありました。
民家の脇とか抜けて(笑)。
…岩倉に、今なお清水を湛えています。来た道を戻って、海蔵寺さんのお庭をもう一度眺めてから、次の目的地へ出発です。
こちらでは遠足に遭遇せず、静かに過ごせました(笑)。
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