6. 旅の終わりに


こりゃいかん…もう限界もといかなり危ない、でもあとは帰るだけだ!と月を眺めつつ、気力を振り絞って長谷駅へ。江ノ電を待ちます。思ったよりも空いていて、座って鎌倉駅へ。戻ると既に18時を回っています。小町通りのお店も閉店した時間。JRの駅ホームも、これまでより空いていたように思います。
18時15分発、横須賀線成田空港行き(15両!・笑)に乗車し、帰途につきました。
…よくまぁ無事に帰ってきたなぁ。というのが自室に辿り着いたときの気持ちでした。既に両膝とも曲がりが鈍く、鈍痛が延々とで殆ど引きずる状態で帰宅しました。旅先でのアクシデントには滅多に遭遇しないので、自分としてはかなり焦っていました。そのせいか写真も取り逃がしてたり、持っていった「八葉歳時記」も聞けず…と、この旅行記を書きながら反省しています。

紅葉の名所として知られる社寺も、幾つか回りたいところがありました。七福神巡りの際は工事中だった妙隆寺さんは落成し、鎌倉宮も綺麗…とアタマには有ったのです。しかし、最後に長谷寺さんと決めていた事もあって、そこへ行くまでの余力が必要だなと、足の具合を鑑みつつ断念しました。歩くのが通常のスピードの半分で、移動も思ったようにいかず、日没も見損ねました。しかし、それでもその余韻に浸れたりしたのは良かったです。

さて、気を取り直して。
紅葉はやはり天然ものですね。銀杏は場所によっては終わっていたり、これからだなーと思ったり。楓は「これから」が圧倒的でした。ただ、やはりその樹ごとにも違うので、こればかりは地元に強いサイトさまを巡って、情報を仕入れてから出掛けるのが無難かと。当たり前なのですがね。
自宅の庭の楓は、文字通りこれからなのですが、お向かいの家の楓は、既に紅いのです。数メートルの差、というよりも個性もとい樹性ってやつなのでしょうか。

そして、今回のもう一つの醍醐味は「時間」。これは所要時間のことではなく、どちらかと申しますと「時代」です。
いつも鎌倉へ来て、社寺やイベントスポットを巡っています。その度に歴史を経たものに遭遇しています。感心したり、敬虔な気持ちになったり。しかし、今回の朝夷奈・熊野神社はすっかり今が21世紀であることを忘れさせてくれました。これは凄かったです。
私は山歩きの経験もなく、熊野などへの旅行もしてはいません。旧い道や山道といったものを歩くのは、数年前に箱根旧街道で…というくらい。でもその時は友達数人とでした。今回は一人でしたし、朝夷奈入口から数分という距離なのに…ホントに今って21世紀?の気持ちでした。深山幽谷というよりかは、まだきっぱりした明るさみたいなものがありましたが…あの空気がどうも800年前に繋がっているような気にさえ、なりました。峠道で擦れ違う人は、間違いなく現代人なのに(笑)。

朝夷奈から出て、金沢街道の車の音を聞くまで何となくぼーっとしていました。民家もちゃんとあるし、21世紀だよね(笑)。この気持ちって、ちょっと異世界から戻ってきた望美ちゃんの気持ち?(笑)。でも、そういった不思議且つ他ではなかなか味わえない醍醐味が、朝夷奈にはあったと思います。すぐ側に存在する異なる時間というような…。
出来れば、ここがいつまでもこの静かな環境でありますように。
…しかし、ヒノエくんはあの寂しい場所に望美ちゃんを一人にして、熊野神社へ行ったのね(汗)。いや、勿論望美ちゃんに何かある筈もないって、信じていたのでしょうけど。降雪まであったら、あの服装では寒いぞ!いくら若くても(笑)。

それと、これもおおっと思ったこと。
江ノ電の4駅(鎌倉、長谷、鎌倉高校前、江ノ島)では、期間限定で駅をライトアップしていました。イルミネーションは各駅によって違います。下車して撮ることは出来なかったので、長谷駅のものだけ。長谷駅は1/1まで、他の3駅は1/31まで。江ノ電オフィシャルサイトに詳細があります。このイベントは、全く知らなかったのでちょっと嬉しかったです。派手派手しさはなく、ぽわっと明るい感じでした。

アクシデントはありましたが、それでも書いてみたらいつもより長くなりました、今回の旅行記。
何にしても、無事に帰ってこられて良かったです。
当初は紅葉狩りと思って出掛けましたが、行く前日(ってのもどうよ)に晴明伝説を思い出し、更には駅ライトアップといったイベントにも遭遇して+αな旅行になったかと。なのでタイトルがこんなものに(笑)。
今度は、是非梅の季節に!と思っております。カレー屋さんもリベンジしたいし〜(笑)。その時は、前日にたっぷり睡眠をとり(今回は4時間…)、準備運動して(笑)出掛けます!


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