6.旅の終わりに


時間は午後4時半を回りました。雨足は変らず、今日はここまでかと思い、帰路へ。しかし、なんだかまだ帰るのが惜しい気持ちもあります。そこで、買いたいものもあったしと徒歩で長谷へ戻ります。一駅の為に12分待つよりは、切り通しを歩いて煩悩する(笑)。そこで買ったものは下記へ。雨でしたが、店舗の並ぶ長谷通りには、まだまだ人が多かったです。
買い物の後鎌倉駅へ戻り、桜の綺麗なホテルニューカマクラさんを撮ります。
そして自宅用のお土産を買い、17時29分の横須賀線千葉行きで帰路に就きました。


本日の買い物
四葩さんの春限定・桜柄のケース入りあぶらとり紙。これは衝動買いです(笑)。桜ものにヨワいので。本来の目的は、後方の袋入りのもので「洗顔こんにゃくスポンジ」。ぬるま湯に浸け、柔らかくしてから、くるくると撫でるようにして使います。洗い上がりの感覚が好きで使っています。こんにゃくなので、黴びないように気をつけていますが、ダメになったら買い替えをば。

レ・ザンジュさんの春限定の桜パイサブレ。5枚入りを購入しました。桜フレーバーが入っていて、ほんのりとそれを味わえます。実は、メジャーなお店ながら今回初めて頂きました。一緒にマドレーヌも買いましたが、しっかりとした食感でそれぞれレモンとオレンジが利いていました。喫茶室は満席。


去年は花が終わっていたから…。ならば例え天気が今一つでも、咲いている内に見に行った方がいい。花は待ってくれません。日常にまみれた自分が、自然に合わせないといけません。というわけで、念のため貼るカイロ(笑)も携帯しての出陣でした。

とにかく、曇天だろうと桜の季節の日曜日。混雑は必至と、いつもより小一時間早めに就くよう出発。しかし、既に結構な人出。3年前、10時半に着いてバスとほぼ同時刻で歩いていた(苦笑)ということがあるので、とにかく10時前に八幡宮へ!がこの日の第一目標でした。振り返ると、過去の桜のシーズンはいずれも10時過ぎに着いてましたが、遅くなると降る!な気持ちが早めを促します。

泉水橋までバスに乗りましたが、この後はひたすら歩き+江ノ電なので渋滞とは無縁。歩いていると、沿道の花を見られて楽しいですし。何度か訪問する内、再度見るのを楽しみする樹という存在が出て来ます。最たるものが「華の橋」の桜と、そばの花壇。それと、街道沿いのミモザ(いずれも右写真)。この他にも楽しみな樹が幾つもあります。また会えるといいなと思いつつ、拝見しています。

訪問した社寺では、凄い混雑には遭遇しませんでした。その点では、紫陽花の頃より楽だったかもしれません。ただ、行く前に鎌倉の情報系サイトさまで「ご飯難民」といった言葉に遭遇し、気になりました。体調も考えると、食べておかないと…と思ったこともあり、タイミングも良かった谷口屋さんで無事に食べられました。名越方面から戻るとき、再度お店の前を通ったら「本日分のおにぎり終了」の旨書かれていました。…午後2時過ぎ。でも、売り切れたのはもっと早かったかもしれません。お弁当は「トンビに注意」でお店も売り切れ注意。まさに「ご飯難民」ですね。上手くお店に入れる状況ならば良いですが、この時と思った時に食べたほうが無難かもしれません。

今回、印象に残ったのが妙法寺さんです。前述しましたようにまず「撮影目的の入山禁止」で「参詣することは仏縁を結ぶ」と、由来書に明記されていました。昨今、彼方此方を拝観させて頂いておりましたが、改めて背筋が伸びる思いです。それは境内を歩くにつれ、深まります。本当に緑深く、静寂で時代を忘れます。現世の喧騒から切り離されよう。
ですが、護良親王の墓所とそこからの眺望で、人の世の悲嘆と逞しさを改めて実感します。ところで私は孝夫(現・仁左衛門)の「もりよし!」の声が印象深く(NHK大河「太平記」)、いまでも「もりよし親王」とお呼びしてしまいますが、殆どが「もりなが」ですね。お参りしていて、大河のことをあれこれ考える俗人で申し訳ございません、とも思いました。

この訪問の後仕事も入り、やはり行って良かったという気持ちです。晴天に桜は堪らないものですが、曇天に霞のような印象を残す桜も、また良いもの。ただ…見るのは良いのですが、写真がね(汗)。撮る方に問題が多くて、良さが出せないです。どうぞ、その辺りは皆様の心眼で補ってくださいませ。
桜の他には、思いの外景時さんの象徴物・辛夷に出会えて嬉しかったです。しかし、白色・曇天・撮るのが私という三拍子揃った写真で…(滝汗)。写真は花弁の多い幣辛夷。何はともあれ、煩悩の赴くままに撮りました。

遙かと桜のどちらも好きの私としては、この時期の訪問は普段より「燃え」が激しいです。「迷宮」の後、こちらに残った八葉は、この桜を見たらどう思うのか…と。
そして壮麗に咲き、散る花とそれを映す街並を歩きながら、自分の燃えと抱え続けるあれこれを案じました。
どうぞ、来年もここで桜を見られますように…。

変り続ける人の世の中で、時が止まったような場で安らぐ有難さを感じた一日でした。


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