2. 随心院―伊達正宗伏見屋敷跡(海寶寺)
随心院
今回の旅、最初の訪問地は友雅さんと訪れた随心院さん。
正に雨に濡れる新緑。私たちの他は、女性一組の拝観。…雨音以外、聞こえません。庫裡に入って一礼、入り口で拝観料400円を納めて進みます。建物の中は撮影禁止ですので、写真はありません。
中は木造の建物ならではの匂い、庭の緑の中に唯一の紅さを灯すのは石楠花。丁度、花の時期を外れた頃の訪問となったので、この石楠花の鮮やかさが今回は忘れられない色になりました。また、本堂の軒下から落ちる雨垂れが地面に生えた苔を打って、等間隔に穴が穿たれておりました。…何年もこうして雨が落ちているんだなぁ…。静かな時間です。![]()
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庫裡を出てから、目指すは文塚です。薬医門を左手に見て、進んで行くと「文塚」の看板。道を入ります(上写真中・右)。雨はかなり強くなっています。…確かに、随心院の裏手と京都めぐりにも記載されていました。…歩く。思ったよりも歩きます。雨の降りも時間を感じさせたのかもしれません。実際に写真のデータを見ると、門から5分で着いていたのですが。そして、もっと暗かったと思ったのに結構明るく写っていてまた驚く(笑)。文塚は、竹林の中に静かに在りました。合掌。
…して、友雅さんのイベントを思い出します。友雅さんは私にとって、とらえどころが無く、飄々としながらもそれだけでは済まない、不思議な人です。あかねちゃんとここに来て、何を考えていたのでしょう…。益々雨は強くなってきました。戻ります。![]()
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梅園の方に戻り、小野小町の化粧井戸を見学。
平安時代の井戸の形か…。井戸というよりは、池のようにも思えます。どうも井戸というと、釣瓶式のあれを思い出して、容器で水を汲み出してから使う…というイメージになってしまいます。
この形ですと水際まで降りて行けるようになっていますから、水を直に使う…という図になるのでしょうか。
などと考えつつ、勢いの衰えない雨の中、境内を後にしました。総門手前にあるお蕎麦屋の「橘」さん。ここで昼食をと思っていたのですが、電車に影響が出ていると、後の行程がどうなるか…と心配になって、入らずに京都駅まで戻る事にしました。結局、この日は昼食抜きになるのです(汗)。
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地下鉄はダイヤの乱れも無く、山科駅へ。そこから京都駅へ戻るのですが、湖西線はやはり遅れが出ていました。それでも乗ってしまえば一駅で京都。今度は奈良線に乗り換えます。
R嬢の拝観希望の「伊達政宗伏見屋敷跡」。こちらの最寄り駅「JR藤森」で下車。
勝運と馬の神様、藤森神社は案内板もありましたが、屋敷跡である海寶寺さんの案内は無い…。前もって地図をプリントアウト+駅前の地図を頼りに、住宅街を歩く事15分弱。目指すお寺は在りました。こちらは普茶料理を出されるのですが、四人〜で要予約とのこと。私たちはお参りし境内を拝観するのみです。
本堂の左手には、政宗公のお手植えのモッコクの樹。仙台市によって説明が書かれています。西側に向かって、住宅地が開けている高台の中腹。私たちの他に訪れる人は無く、とても静かでした。アタマの中には大河ドラマだったり、英語を駆使し馬をハーレーのように乗りこなしレッツパーリィと宣う殿の図が浮かんでしまいますが(汗)。
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ちなみに、藤森駅に着いた時は雨は止んでいました。それからは雲が切れて薄日が射して何となく蒸し暑いような陽気に。それでも、所々に黒い雲はありました。…油断出来ない天気だなぁと思いつつ、次の場所に向かおうと大通りを目指します。
この海寶寺さんがある場所の周りは「正宗」という町名。お屋敷だった頃の名残でしょうか。しかし、マサの字が殿のお名前と違うのはどうしてでしょう。モッコクの札も「正」表記でしたが―。
そして、通りの向かい側は「深草」。…少将はこの辺りから、随心院まで百夜通いをしていたのですね。遠いな(汗)。牛車だとどのくらいかかったのでしょう。しかも、どう考えても真っ暗で都の中心からも外れていて…。随心院の文塚と違い、視界は開けて人も多い住宅街の深草。
そこで改めて恋の為せる業って凄い…と思う、乙女心が消え去っている私。
大通りへ出てみること数分。気付けば3時半でタクシーが全く捕まらない。
実は、城南宮と鳥羽離宮跡へ行こうと思っていたのです。洛南は観光エリア以外は交通手段が少なく、これはタクシーだなと思っていましたが…そうは問屋が卸さなかった。城南宮は境内拝観は自由でも、神苑は4時が最終受付。庭園好きとしては残念ですが、これはもう駄目だな、ということで断念。そうなると翡翠さんの誕生日なんだから、京都に戻る途中、彼の好きな伏見稲荷へ行こう!となりました(笑)。じゃ、藤森駅へ戻りましょう。
伏見駅までは、行きと同じく奈良線。…あれ?予定時間になっても電車が来ない。行きは遅れていなかったのですが、線路内立ち入りがあってその影響が出ている、と放送が入ります。遅延要因は雨だけではなかった(苦笑)。
それでも伏見までは一駅。お稲荷さんは拝観時間は無いのでやや気も楽です。
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